3-methoxy-3-methyl-1-butanol

ソルフィット®

CAS No. 56539-66-3

〈ソルフィット®〉は、クラレ独自で開発した高沸点タイプ(沸点173℃)のアルコール系の溶剤です。 低臭、低毒、生分解性という特長を有し、溶剤を使用する作業者、また地球環境への負担を軽減する環境対応型の溶剤であり、アメリカ合衆国環境保護庁にも『環境と人に優しい溶剤』として認証されています。

特長

■洗浄剤

洗浄能力向上

処方の工夫により洗浄力を向上させます。

基材へのダメージ制御

処方の工夫により樹脂溶解性を制御できます。

高濃度処方の安定性向上

高濃度洗浄剤処方の粘度を低下させ、安定性を向上させます。

pH安定性

幅広いpHで安定です。

乾燥性

処方の工夫により揮発速度を制御できます。

■芳香剤

低臭性

匂いがマイルドです。

香料化合物との高い相溶性

幅広い香料化合物と高い相溶性を備えています。

ユニークな揮発特性

芳香剤の揮発速度の調整ができ、揮発中の組成変化を最小限に抑えられます。

界面活性剤助剤

水系芳香剤において、界面活性剤の使用量を低減できます。

洗浄能力向上

〈ソルフィット®〉を配合した洗浄剤は、より少ない溶剤配合量で、汚れ(黒色)がよりきれいに取り除けました。

試験①
水系洗浄剤処方を作成し、その処方に配合する溶剤の種類と量のみを変えた洗浄剤をそれぞれ作成、洗浄性能の比較を行いました。

  • 汚れ
    ピーナッツオイル、カオリン、カーボンブラック
    洗剤
    水系洗浄剤処方(界面活性剤、溶剤、水、他)
    EtOH
    エタノール
    BDG
    ジエチレングリコールモノブチルエーテル
    BEG
    エチレングリコールモノブチルエーテル

他溶剤との配合により、洗浄力を向上可能です。

試験②
ガラス板に油性ペンで印をつけ、溶剤による洗浄性能を比較しました。

試験方法
  • ガラス板に油性ペン(黒、赤)で印をつける。
  • そのガラス板をビーカーに入れる。
  • そのビーカーに各種溶剤をそれぞれ仕込み、室温で一定時間撹拌の後に取出して観察。
  • リモネンとの混合系による油性ペン洗浄の例

基材へのダメージ制御

〈ソルフィット®〉は、一般的なグリコールエーテル類と比較すると、樹脂類へのダメージが弱い傾向があります。

試験①

試験方法
  • 樹脂テストピースを50℃で7日間溶剤に浸漬。
  • テストピースの状態、体積膨張率を確認。
溶剤による樹脂アタック性
*〈ソルフィット®〉以外は変形により、体積膨張率が測定できませんでした
  〈ソルフィット®〉 BDG BEG PM DPM
ポリカーボネート 19 溶解 部分溶解 部分溶解 溶解
ポリスチレン 0 白化 白化 白化 白化
PMMA 76 部分溶解 部分溶解 部分溶解 部分溶解
BDG
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
BEG
エチレングリコールモノブチルエーテル
PM
プロピレングリコールモノメチルエーテル
DPM
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル

水との混合により、ダメージのリスクが小さくなります。
また、水と一緒に揮発するため、基材上で〈ソルフィット®〉が濃縮しにくいです。

試験②

試験方法
  • PMMAテストピースを、室温で7日間〈ソルフィット®〉水溶液に浸漬。
  • テストピースの状態を確認。

高濃度処方の安定性向上

濃縮洗浄剤処方の粘度低減と低温での安定化に寄与します。

試験方法
  • 界面活性剤濃度が60%以上の濃縮洗剤処方を作成。
  • その処方に配合する溶剤の種類のみを変えた洗浄剤をそれぞれ作成。
  • 室温での粘度と低温での外観を確認。
溶剤別 濃縮洗剤処方の粘度 (室温)
溶 剤 〈ソルフィット®〉 EtOH BEG PG
粘 度
(mPa・s)
52 52 123 127
EtOH
エタノール
BEG
エチレングリコールモノブチルエーテル
PG
プロピレングリコール
  • 溶剤別 濃縮洗剤処方の外観 (2℃)
    PG
    プロピレングリコール
    BEG
    エチレングリコールモノブチルエーテル
    BDG
    ジエチレングリコールモノブチルエーテル

pH安定性

弱酸からアルカリ性まで比較的安定です。

乾燥性

〈ソルフィット®〉は、水や溶剤との組み合わせによって揮発速度を制御可能です。

試験方法
直径9cmのシャーレに各種溶剤(5.0g)をそれぞれ仕込み、温度22~23℃、湿度30RH%の条件下で静置し、溶剤の重量を確認。

低臭性

〈ソルフィット®〉は、一般的なグリコールエーテル類と比較して、匂いがマイルドです。

各種溶剤の水溶液(溶剤濃度:0~20重量%)を調合し、匂いを確認しました。

香料化合物との相溶性

〈ソルフィット®〉は、DPGなどのグリコールと比較して幅広い香料化合物と相溶性が高いです。

香料化合物の溶剤に対する溶解度を確認しました。(22~24℃)

  Vanillin Ethyl
vanillin
YARA
YARA
Coumarin Rosacetol Musk
ketone
Tonalid Menthol Linalool d-Limonene
〈ソルフィット®〉 36 39 12 19 11 9 45 46
DPM 35 35 17 23 16 9 40 45
DPG 29 27 8 14 4 2 5 42 32
PG 36 15 2 8 1 1 1 42 2
IPG 41 20 2 8 2 1 5 43 10
(Wt%)

ユニークな揮発特性-1

香料化合物と一緒に揮発するため、蒸気圧が香料化合物群のほぼ中央に位置します。

香料化合物と溶剤の各温度における蒸気圧をプロットしました。

ユニークな揮発特性-2 - 水系 -

〈ソルフィット®〉の濃度を変化させることで、揮発速度を制御できます。
液組成の変化が小さいので、安定した香調が得られます。

試験方法
〈ソルフィット®〉と水の混合液をビーカーに仕込み、重量変化を確認することで揮発特性を確認しました。
300mlのビーカーに、各種濃度に調整した〈ソルフィット®〉と水の混合液(200g)をそれぞれ仕込み、温度22~24℃の条件下で静置し、混合液の重量と液組成を確認。

ユニークな揮発特性-3 - 溶剤系 -

吸湿が少なく揮発速度とパターンが理想的であり、ソルフィットは揮発速度に対しての湿度の影響が小さく安定した香調を得られます。

試験方法
各種溶剤をシャーレに仕込み、重量変化を確認することで揮発及び吸湿特性を確認しました。
直径9cmのシャーレに各種溶剤(5.0g)をそれぞれ仕込み、温度22~23℃、湿度30または40RH%の条件下で静置し、溶剤の重量を確認。

界面活性剤助剤

〈ソルフィット®〉では、より少ない界面活性剤量で透明な液が得られます。
コスト削減や界面活性剤濃度低下による、詰まり、濁りの低減に寄与します。

試験方法
  • 水系芳香剤の処方を作成。(成分:水、界面活性剤、香料、溶剤、その他)
  • 溶剤として〈ソルフィット®〉、DPM、エタノールを使用したサンプルをそれぞれ作成。(溶剤の種類以外の処方は固定して作成。)
→ 〈ソルフィット®〉のみ透明
※データは全て自社測定

用途展開

印刷関連

  • インキ希釈剤、ブランケットクリーナー、湿し水(エッチ液)

農薬関連

  • 除草剤、殺虫剤、木材防腐剤

電子関連

  • カラーレジスト希釈剤、レジスト剥離剤、電子基盤洗浄剤

自動車関連

  • 塗料、カーシャンプー、フラックス

家庭用関連

  • 芳香剤、バス・トイレ、衣料用洗剤

その他

  • ドライソープ、泡消火剤、筆記具

基本物性

引火点 68℃(消防法 第四類第二石油類 水溶性)
水と混合の場合、水の比率が2割以上で引火点が消失します。
沸点 173℃
凝固点 <-50℃
粘度 12.5mPa・s @20℃
密度 0.91g/cm3(20℃)
表面張力 29.9dynes/cm @20℃
蒸発速度(酢ブチ=100) 7
水への溶解度
KB値 >400
SP値 9.88
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